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折る刃式カッターナイフの誕生秘話

Birth of OLFA cutter

刃物の概念を変えたオルファ

1956年、日本の一青年、岡田良男が発明した折る刃式カッターナイフは、世界中の人々に愛用される刃物になりました。
良男によって立ち上げられたオルファは、創業以来、半世紀にわたってカッターナイフ作りのパイオニアとして手道具づくりひとすじに歩んでまいりました。

  • 戦後の混乱の時代に

    岡田良男は昭和6年4月に、大阪市内で四男一女の長男として
    生まれました。
    家業は、印刷紙を断裁する町工場でした。
    幼い頃から工作が好きで、ナイフ・ハサミをよく使いました。

    良男が13~14歳の時(昭和20年)、空襲で家も工場も失い、一家は南紀の白浜に疎開。
    良男は家計を助けるため、旧制中学を中退し働きに出ました。

    最初の仕事は電気の見習い工でした。
    その時の電気工の仕事で、いろんな道具を使った経験が後のオルファカッターづくりに役立ちました。

  • 現場の仕事から生まれたアイデア

    その後いくつかの仕事を経て、良男はある印刷会社に職を得ました。
    印刷の仕事は、紙を切ることが多いのです。カミソリの刃をつまんで切っていましたが危ないし刃の両端しか使えず、ポイと捨ててしまいます。 “もったいない”。

    路上の靴職人たちは当時、靴底を削るのにガラスの破片を使い、切れ味が鈍るとまた割って使っていたといいます。
    その姿をみていた良男はふと、敗戦後、進駐軍の兵隊さんがかじっていた板チョコを思い出しました。「そうだ、板チョコのように刃に折り筋を入れておき、切れなくなったら、ポキポキと折っていくと1枚の刃で何回も新しい刃が使えるぞ!」。 この単純な発想が世界中で使われる刃物に。

    1956

    世界最初の折る刃式カッターナイフ 「オルファ第1号」

  • 刃の規格は世界基準に

    仕事が終わってから、印刷工場の片隅で夜遅くまで試作品を創り続けました。

    その時の試作品は、今でもオルファ本社に展示されています。

    刃の長さ・大きさ・厚さ・角度・折り線の深さやピッチなど、試行錯誤の末に設定した刃の規格は、互換性の関係で変えることのできない世界基準となりました。

    特許を取得しましたが、資金も経験も無い。大手メーカーに製造をお願いしましたが、「刀折れ矢尽きる」ということわざがある通り、「刃物は折れたらダメ。」「こんなモノ作っても売れない」と散々な反応で、どこも相手にしてくれませんでした。

    「仕方ない、自分たちで作ろう。」
    夢と苦労のはじまりです。

    カッターナイフづくりに取りかかりました。
    はじめて、町工場のプレス屋さんに注文した3000本は、
    仕上がりはバラバラ、刃の入らないもの、外れるもの・・・・

    「自分で手直しするしかない」と、良男は3ヶ月かけ、
    ペンチ・カナヅチ・ヤスリを手に一本・一本手直しをして商品にしました。

    折る刃式カッターナイフの誕生です。

    4人の兄弟がそれぞれの得意分野で協力し経営力を高めました。

    また、優れた社員に恵まれたのも幸いでした。

  • 折る刃からオルファ・色は黄色に

    ブランド名は、刃を折るからオルファとし、コーポレートカラーは、暖かみのある黄色にしました。黄色は、薄暗いところや乱雑な道具箱の中でもよく目立ちます。
    ロゴマークは折る刃の形状をイメージしてデザインしました。